歯周病を予防しよう
2012.1.5更新

歯みがきをした時に歯肉から出血するのは、歯周病の初期症状です。しかし、その段階では痛みがほとんどないため、放置しておく人が多いのが現状です。そうすると、歯周病は静かに進行し、歯を支える骨が徐々に吸収され、歯がグラグラになって抜け落ちてしまうこともあります。日頃から歯周病予防を心がけましょう。

歯周病は、歯に付着したプラーク(歯垢)の中の歯周病菌が原因となって、歯肉に炎症を引き起こす感染症です。しかし、歯みがき習慣、食生活、喫煙などの生活習慣がその発生や進行に大きく影響する生活習慣病でもあります。歯周病予防は、プラークコントロールと健康な生活習慣が基本になります。
歯周病菌が産生した炎症物質が血液中に流れ込むと、インスリンの働きを妨げて血糖値が上がるため、糖尿病を悪化させます。また、妊娠中の女性では、進行した歯周病があると低体重児の出産や早産の原因になることもあります。
嚥下機能が低下した高齢者では、歯周病菌が直接肺に入り込んで、誤嚥性肺炎が起きる場合もあります。さらに、歯周病菌が血管に付着して内壁を傷つけて動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこともあります。
 
歯周病は、セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で予防しましょう。
●毎食後、きちんと歯をみがきましょう
歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先を当て、毛先が少しすき間に入り込むように押しつけて小刻みに歯ブラシを動かして、プラークを除去します。奥歯や歯の裏側は、小さめの歯ブラシを使うとみがきやすいです。また、細菌の増殖を抑える殺菌剤やプラークの付着を防ぐ酵素などが含まれている歯みがき剤や、洗口剤(デンタルリンス、マウスウォッシュ)を併用するのも、歯周病予防に効果的です。
●歯と歯の間のプラークもきれいにしましょう
歯の表面についたプラークは歯ブラシで除去できますが、歯と歯の間のプラークはデンタルフロスや歯間ブラシを使用しないときれいに除去できません。
●栄養バランスを考えて、よくかんで食べましょう
ゆっくりよくかむと、唾液がたくさん出て細菌の増殖が抑えられます。やわらかい食べものは食べカスが歯につきやすいので注意します。栄養バランスを考えて、規則正しく食事をとりましょう。
●禁煙しましょう
喫煙すると、歯や歯肉が黒くなってきます。また、タバコの作用で血管が収縮し歯肉の血液循環が悪くなって、歯周病が悪化します。さらに、喫煙者では歯周病の治療効果も上がりにくくなります。身体の健康のためにも、歯周病予防のためにも禁煙することが重要です。
プラークは歯みがきで除去できますが、プラークが毎日少しずつ堆積してしまうと、バイオフィルム(細菌が層状にかたまって強い膜になったもの)や歯石となります。これは、自分では取り除けません。1年に1〜2回は定期的に歯科健診を受けて、歯科専門家に歯石除去をしてもらい、自分に合った歯みがきの方法を助言してもらいましょう。
 
監修/東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野教授 川口陽子
 
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